急性毒性
経口
GHS分類: 區(qū)分3
ラットのLD50値として、154 mg/kg (環(huán)境省リスク評価第6巻 (2008))、251 mg/kg及び> 50~< 1,500 mg/kg (OECD ENVJMRD (2002)) との3件の報告がある。2件が區(qū)分3に、1件は分類できないので、最も多くのデータが該當する區(qū)分3とした。
経皮
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
吸入:ガス
GHS分類: 分類対象外
GHSの定義における固體である。
吸入:蒸気
GHS分類: 分類対象外
GHSの定義における固體である。
吸入:粉じん及びミスト
GHS分類: 區(qū)分4
ラットのLC50値 (1時間) として、5.2 mg/L (4時間換算値:1.3 mg/L) との報告 (OECD ENVJMRD (2002)) に基づき、區(qū)分4とした。なお、被験物質が固體であるために、粉じん?ミストの基準値を適用した。今回の調査で入手した新たな情報を追加し、區(qū)分を見直した。
皮膚腐食性及び皮膚刺激性
GHS分類: 區(qū)分外
ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、本物質を24時間又は72時間適用した結果、刺激性はみられなかったとの報告がある (OECD ENVJMRD (2002))。また、本物質は刺激性なしとの記載 (HSDB (Access on September 2015)) や、本物質のカリウム塩は皮膚を刺激しないとの記載 (環(huán)境省リスク評価書 (2008)) がある。以上より、區(qū)分外とした。
眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性
GHS分類: 區(qū)分2B
本物質をウサギに適用した試験において、軽度の刺激性がみられたとの報告がある (OECD ENVJMRD (2002)、HSDB (Access on September 2015))。以上より區(qū)分2Bとした。
呼吸器感作性
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
皮膚感作性
GHS分類: 分類できない
データ不足のため分類できない。
生殖細胞変異原性
GHS分類: 分類できない
In vivoでは、マウス骨髄細胞の小核試験で陰性、ラット骨髄細胞の小核試験で陽性である (環(huán)境省リスク評価第6巻 (2008)、OECD ENVJMRD (2002)、ATSDR draft (2015)、HSDB (Access on september 2015))。In vitroでは、細菌の復帰突然変異試験、ヒトリンパ球の染色體異常試験で陰性である (環(huán)境省リスク評価第6巻 (2008)、OECD ENVJMRD (2002)、HSDB (Access on september 2015))。以上より、小核試験では陽性/陰性の両知見があり、その小核誘発性は明確ではない (すなわち、小核知見はequivocalである) ことから、分類できないとした。なお、本物質及び本物質のカリウム塩のデータを含め分類した。
発がん性
一方、実験動物ではラットに本物質カリウム塩を2年間混餌投與した発がん性試験において、高用量 (20 ppm) で肝細胞腺腫の頻度増加 (雌雄)、肝細胞腺腫とがんの合計頻度の増加 (雌)、甲狀腺濾胞上皮細胞腺腫の頻度増加 (雄) がいずれも有意に認められた (OECD ENV/JM/RD (2002)、環(huán)境省リスク評価第6巻 (2008))。この他、雌の投與群では0.5~5 ppm の3用量のいずれかで甲狀腺濾胞上皮細胞腺腫とがんの合計頻度、乳腺腫瘍 (乳腺線維腺腫/腺腫、がん) の頻度増加がみられたが、用量相関性を欠いていた (OECD ENV/JM/RD (2002)、環(huán)境省リスク評価第6巻 (2008))。國際機関による分類結果としては、EUによる Carc. 2 への分類 (ECHA CL Inventory (Access on September 2015)) だけである。
以上、ヒトの発がん性の証拠は不十分であるが、実験動物ではラットで肝臓、甲狀腺に腫瘍発生が認められた。ヒトで腫瘍発生が起こりえるかどうかは見解が分かれることが指摘されている (draft ATSDR (2015)) が、現(xiàn)時點では実験動物での証拠及びEUの分類結果を根拠に、本項は區(qū)分2とした。
なお、類似物質のPFOAについては、IARCがグループ2Bに (IARC 110 (in prep))、EUがCarc. 2 に分類している (ECHA CL Inventory (Access on September 2015)) ことを根拠に區(qū)分2に分類した (詳細はPFOAの本項參照のこと)。
GHS分類: 區(qū)分2
ヒトの発がん性に関して、米國アラバマコホートを対象とした疫學研究において、5年以上勤務した作業(yè)者3例で膀胱がんによる死亡が確認され、この條件でSMR (標準化死亡比) を求めると25.5となり (vs 期待値: 0.12人)、膀胱がんリスクの増加が報告されたが、この3例は製造部門での職歴は長くなく、本物質ばく露との関連性は明らかでないと結論された (OECD ENV/JM/RD (2002)、環(huán)境省リスク評価第6巻 (2008))。この他、類似物質のPFOA製造工場の従業(yè)員、又は工場周辺の住民の間で、腎臓、精巣、前立腺の腫瘍などが疑われたが、いずれも本物質ばく露との関連性は低く、偶然の結果と解釈すべきとされている (draft ATSDR (2015))。
生殖毒性
一方、実験動物では本物質カリウム塩を妊娠ラットの器官形成期に経口投與した複數(shù)の試験で、胎児に奇形発生 (口蓋裂、胸骨分節(jié)欠損、全身浮腫/皮下水腫、心室中隔欠損など) の増加が認められており、妊娠マウスを用いた試験でも同様の奇形発生の増加がみられている。これらの多くは母動物毒性がみられる用量での影響であったが、母親ラットに影響のない1 mg/kg/day以上で胎児に眼 (レンズ) の奇形 (異常) がみられたとの報告の記述もある (環(huán)境省リスク評価第6巻 (2008)、OECD ENV/JM/RD (2002)、draft ATSDR (2015))。既存分類結果としては、EUが「Repr. 1B & Lact.」 に分類している (ECHA CL Inventory (Access on September 2015))。
以上、本物質は妊婦へのばく露により低體重児を生じるリスクのあること、母乳中に排泄されること、実験動物で奇形発生を含む発生毒性誘発が明確であることから、區(qū)分1Aとし、授乳影響を追加した。
なお、本物質の構造類似化合物であるPFOAに関しては、日本産業(yè)衛(wèi)生學會が「生殖毒性物質第1群」に分類している (許容濃度の勧告 (2015)) こと、かつ母乳中に検出され授乳影響が懸念されることを根拠に、區(qū)分1A、追加區(qū)分:授乳影響」とした (詳細はPFOAの本項を參照のこと)。
GHS分類: 區(qū)分1A
追加區(qū)分:授乳に対する、又は授乳を介した影響
本物質 (PFOS) のヒト生殖影響に関する疫學報告は主として2007年以降に公表され、draft ATSDR (2015) に比較的新しく集積した知見が包括的に収載されている。それによる総括的な要點として、本物質は類似物質のペルフルオロオクタン酸 (PFOA: CAS番號: 335-67-1) と同様に、ヒトの母乳及び臍帯血サンプル中に同程度のレベルで検出される (draft ATSDR (2015)) との記述、及び一般住民又は高濃度汚染地區(qū)居住民を対象とした疫學研究から、母親の血清中PFOS及びPFOAの高濃度と出生時體重の低値との間に相関性がみられることを示す証拠があるとの記述がある (draft ATSDR (2015))。